更新日時: 2023年/02月/28日 by aruna
病気の金魚にメチレンブルーやアグデン、グリーンFゴールドなどを使ってもあまり効果がないことがあります。
また、一度病気を鎮圧しても再発することがあります。そして最終的に松かさになって死にます。
このパターンが非常に多いです。
なぜなら、この原因は魚病薬を使ってもコステアやギロダクチルスなどの原虫、寄生虫類は退治できないからです。
これらの寄生虫は生命力が非常に強く、先述の魚病薬は一切効果がないです。
そのため、昔の養魚場ではホルマリンを使って消毒を行っていました。
しかし、ホルマリンは猛毒で人体に悪影響を与え、環境を汚染するため現在はほとんど使用されていません。
唯一の解決策であったホルマリンが禁止されたため、現在の環境は原虫や寄生虫などが野放しになっている状態です。
この原虫を除去しない限り、金魚を買ってきてもほぼ必ず病気を発症させ、治療しても死んでしまうという悪循環から逃れられなくなってしまいます。
白点病によく似たエラ病
また、寄生虫が原因のエラ病などは、白点病と見分けがつきにくいことがあります。このためメチレンブルーなどを使っていてもいつまでたっても病気が治らないこともあります。
そもそも、純粋な白点病は現在の環境ではあまり見かけません。ショップを見て回っても発症している個体はいないことがほとんどです。
白点になるとごま塩大の白い点が全身に広がります。
一方、エラ病の原因である原虫が体表に付着すると、細かい粉をまぶしたようになります。また、ヒレの先端に白い粒のようなものがついたり、白い点が体表にぽつんとできることもあります。
これは原虫の巣みたいなもので、白点病とは異なります。また、ヒレに巣をつくっている段階で金魚の健康に影響はないです。
充分に加温する
次に、ヒーターで水槽を加温します。白点病を始め、エラ病などの原因である原虫類は25度以上の環境では活動が鈍くなります。
実際、グッピーなどの熱帯魚もそのほとんどが何らかの原虫に感染していますが、命にかかわる事態にならないことが多いです。
現にエラ病などのトラブルが起きるのは気温が下がり始めた秋や、春先ごろ(水温が20度を下回る状態)が多い。年中ヒーターを入れて飼育していれば病気が発生する可能性を減らすことができます。
一応書いておくが、既に感染してしまった魚が治るほどではないので温度を上げるだけで治療することは不可能です。
まとめ
金魚の病気は以前は対処する方法がほとんどありませんでしたが、プラジプロが登場してから本当に対処するのが楽になりました。この記事は2019年に制作したものですが、オキシドールやカテキンで金魚の病気に対処していた記憶が蘇ってきて、本当に泣けてきますね。。。
プラジプロの使用感を簡単に例えると、今まで人間の力で怪獣と戦っていたのが、ウルトラマンが戦ってくれるようになったような感じです。
ただし、金魚の病気は寄生虫だけではないので、プラジプロが効果がなければ細菌などが原因であることが考えられます。その際は塩水浴やグリーンFゴールドなどを使用しましょう。
【非推奨】身近なもので金魚の病気に対処する方法
最後に、決して推奨しませんが、プラジプロを入手するまえに私がエラ病に対処していた方法を紹介します。以前はエラ病金魚の病気を発見したにも関わらず、プラジカンテルなどの薬が手に入らないときは身近なもので代用するしかありませんでした。
以前は私はオキシドールで金魚の病気に対処していました。
やり方を簡単に説明すると、
②その後、1リットル当たり1ccのオキシドール浴で一週間程度様子を見る
③様子を見て再発しなければ治療終了。もし再発した場合①から繰り返す
オキシドール浴で大事なのは濃度です。一リットルあたり20ccという高濃度で薬浴させることでやっかいな原虫、寄生虫などをまとめて退治します。
後述しますがグリーンFなどが効かない原虫類や寄生虫類を倒すためにはホルマリンを使うしかありません。
しかし、一般家庭では手に入らないので、代わりに殺菌作用を持ったオキシドールを使うというわけです。
リスクが高いので注意
ただし、この方法は重症魚はオキシドールに耐えられずに死んでしまいます。
そのため、金魚の病態が軽度であれば塩水浴やカテキン浴などの他の治療法を試した方がよいでしょう。

また、内臓の病気(松かさ病)や細菌性の病気(充血、尾ぐされ、穴あき病など)は観パラDやグリーンFゴールドを使ったほうが効果的だと思います。
最近では薬を餌に混ぜる方法が細菌性の病気に効果的だという声が多数上がっているのでそちらを試してみるといいかもしれません。

このように、オキシドール浴はリスクが高く、生存率は100%ではありません。
しかし、どうしてもプラジプロやパラクリアが手に入らない状態で、もし金魚の病気にお悩みならば是非お試しください。
オキシドールで効果がある病気
オキシドールは殺菌作用があるので、金魚の体表に付着した菌や寄生虫などを除去します。
そのため、
白雲・コショウ病
尾ぐされ
赤斑病
白点病
など、皮膚に異常がある病気に効果を発揮します。※白点は原虫類より生命力が強く、根気がいるためあまりおすすめしません。
一方、転覆病や松かさ病など、内臓に問題がある場合は効果はあまり期待できません。
しかし、これらの病気も元をたどると寄生虫や細菌類が原因なので、オキシドールで消毒したほうがいいと思います。
オキシドール浴の実験詳細
私は、エラ病の小赤を3匹づつ3つのグループに分け
1リットルにつき1ミリリットルのオキシドール浴を一週間
1リットルにつき20ccのオキシドール浴を3分間+1リットルにつき1ミリリットルのオキシドール浴を一週間
異なる濃度のオキシドール水で薬浴させました。
すると、20ccの高濃度オキシ浴をさせたグループは病気が治ったのに対し、
させなかったグループは死んでしまったり病気が再発したりしました。
このことから、1リットルに付き20ccのオキシドールで短期浴するのはエラ病に対して効果があることが判明したのです。
治療の前に絶対にやること
治療する前に、必ず魚が入っていた水槽を消毒します。
病気を治しても水槽が病原菌に汚染されていたら再発するだけで全く意味がないです。
また、現在発症していない個体も病気の魚と同じように治療を行います。
全ての元凶である原虫類は非常に生命力が強く、同じ網やバケツを使っているだけで感染します。
また、乾燥させてもしばらく生きているので出来たら水槽内のもの(砂やろ材、フィルターなど水に触れたもの)を熱湯消毒するか全部捨てるかしたほうがいいです。
コメント
初心者です。縁日で取ってきた金魚が一匹調子が悪いのでオキシドール浴をしてみようと思うのですが、いきなり高濃度で金魚がショック死してしまわないかと心配です。
オキシドール投下を何回かにわけて高濃度にするのがよいのか、そうすると20cc/1lになってから3分間か?などと疑問が湧きましたので詳しいやり方を伝授していただけたらとコメントさせていただきました。
今は塩浴2日目です。
よろしくお願いいたします。
noguminさま
私のやり方は、1リットル当たり20ccオキシを混ぜた水に金魚を入れ、3分経ったら取りだしているだけです。分けて投与はしていませんが、私も自己流でやっているだけなので試されるのもアリだと思います。
ショック死しないかとのことですが、単刀直入に申し上げますと、金魚の体力次第です。
小さい個体でも体力があれば平気ですし、大きい個体でも病気が進行していれば死にます。
ちなみに10mlに濃度を下げると死ぬリスクは減りますがその分効果も低くなります(トリートメントなら10mlで十分ですが)
いずれにせよリスクがある治療法なので、失敗を恐れるのならば無理にお勧めすることは致しません。以上、よろしくお願いいたします。
まさかオキスドールにここまでの効果があるとは思ってもいませんでした。
今まで高価な薬剤を使っても治せずに何匹も喪ってしまっていましたが、
お陰様でカビも除去できて元気になったようです。有難うございました。
当方も20cc溶液に3分、1cc溶液に1週間でほぼ完治しました。
りおパパさま
当サイトがお役に立てて光栄です。
魚によっては弱って死んでしまう個体もいますが、今までエラ病に対してはなす術がなかったので現時点では最も効果が高い方法の一つだと思います。
2匹を20cc溶液に3分の治療をしたら、1匹は翌日に元気になりました。もう1匹は少しの改善が見られましたが、いまひとつです。
回復する魚は20cc溶液の治療で大幅な改善となるのでしょうか?
更に1cc溶液で1週間の治療を行っています。この間に良くなる見込みはありますか?
くに さま
ご連絡ありがとうございます。
処置しても効果がなく落ちる個体もいるので何とも言えないです。
私なら、一週間後にもう一度20cc浴を行います。
短期間で20cc浴させるとリスクが高くなるので、最低でも数日間は開けるようにしています。
以上、よろしくお願いします。
aruna様初めまして。
オキシドール浴凄いですね!
私は3匹を20cc溶液で薬浴させて
2匹が元気になりました。
残念ながら1匹は死んでしまいましたが
今まで紹介されている全ての薬を試しても
すぐに調子が悪くなり、UV殺菌灯でなんとか
延命させている状態でしたので、元気になった
のが本当に信じられないくらいです。
感謝しております。有難うございます。
今もエサクレダンスをしています。(笑)
今回お聞きしたいのは、新しい魚を入れる
時のトリートメントは20ccの3分が良いのか
10ccの?分が良いのか迷っています。
aruna様ならどうしますか?
気長に待ちますので、ご意見を聞かせて
頂けると有難いです。
宜しくお願い致します。
shimaさま
ご連絡いただきありがとうございます。
当ブログがお役に立てて何よりです。
私がオキシドールをトリートメントに用いる際は10ccでした。今まで10匹ぐらい薬浴させましたが、トリートメント後に死んでしまった個体はいませんでした。
金魚であれば、10ccなら比較的安全に薬浴できると思います。
aruna様
返信ありがとうございます。
10ccでやってみます。
本当に助かります。
感謝です。
aruna様
返信ありがとうございます。
10ccでやってみます。
本当に助かります。
感謝です。
申し訳ありません。
重複してしまいました。
ARUNA様
3年前に子供が夜店ですくって来た金魚を適当に飼育し始めたら、ど素人なもので案の定白点病などでほぼ全滅していまいましたが、全滅寸前でこちらのブログに出会いオキシドール浴を決行しました。
回復まで時間はかかりましたが治療が間に合った2匹は今でも元気にエサをねだっております。
この夏新しく仲間を1匹増やす事になり、こちらの記事にある方法でトリートメント中です。
3年越しになってしまいましたがオキシドール浴を知る事ができ感謝しております。
御礼と報告まで。