更新日時: 2021年/01月/14日 by aruna
このことから、ニジイロクワガタは産卵セットの広さよりも深さのほうが大事だといえます。
荒い粒子のマットを使っている
ニジイロクワガタを産卵させるときは、微粒子のマットが必須です。
なぜなら、粒子が荒いとマットの粒と粒の間に隙間ができてしまい、堅詰めできないからです。
もちろん粒子が細かければ細かいほどよく、微粒子マットをフルイにかけ、さらに細かくしてから使っているブリーダーもいます。
ニジイロクワガタのブリードにおすすめのマット
ニジイロクワガタにおすすめの昆虫マットは、フォーテック社が販売している「産卵一番」シリーズです。
産卵一番は粒子が細かいので、ガチガチに堅詰めできるため、ニジイロクワガタの産卵確率がアップします。さらに、ニジイロクワガタはマットの質にもうるさいのですが、高品質なマットであるため他社製品よりは産んでくれるでしょう。
上記の動画でも産卵一番に加水してボトルに詰めるだけのセットでニジイロクワガタの産卵に成功しています。
私も早速850ccのボトルでチャレンジしてみましたが、1週間放置するだけで14個の卵を得られました。
ニジイロクワガタをほぼ確実に産卵させる方法
ニジイロクワガタに産卵させたいのなら、産卵一番を加水して堅詰めするのが比較的手っ取り早いです。
しかし、これだけやっても、まだ産んでくれないニジイロクワガタのメスがいることも確かです。実際、ニジイロクワガタの産み渋りにはかなり頭を悩ませているブリーダーも多く、血が途絶えてしまう人も珍しくありません。
ですが、私は長年の研究の結果、どんなニジイロクワガタのメスでもほぼ確実に産卵させる、最強の繁殖法を発見してしまいました。
しかも、私の方法は一回あたり数百円でできるので、産卵一番を購入するよりも安い価格で実践できます。
その方法とは、「菌床産卵」です。菌床産卵とは、菌糸ボトルを産卵木の代わりに用いるブリード法です。
菌床産卵は主にオオクワガタなどのドルクス属やタランドゥス、オウゴンオニクワガタなどに用いられています。
しかし、私の研究では、ニジイロクワガタに菌床産卵を用いると、ほぼ確実に産卵することがわかりました。
やり方は簡単で、カワラ菌糸ボトル(ヒラタケでも可能)をケースに入れて放置しておくだけです。
これだけで、3週間後には一回当たり10個から20個の卵を得ることができます。
ちなみに私はフォーテックのG-potカワラという菌糸ビンを使っていました。
今までの苦労は何だったのか、あまりにも簡単すぎて拍子抜けしてしまいますが、どうしてもマットで産まなければ是非お試しください。
ニジイロクワガタの飼育法(幼虫飼育、成虫管理)
ここでは、産卵法以外のニジイロクワガタの飼育法について紹介します。
基本的な飼育セット
ニジイロクワガタの飼育はとても簡単で、オオクワガタやカブトムシと全く同じです。闘争心がほとんどないため、オスやメスを少し広めのケースで多頭飼育することも可能です。
さらに、ニジイロクワガタは低温に強く、冬でも室内なら無加温で大丈夫です。幼虫も同様であまりにも寒い環境でなければ大丈夫でしょう。
実は成熟期間は関係ない
よく飼育書やブログの記事などには、「ニジイロクワガタは成熟するまでに半年かかるので、羽化後半年程度たってからペアリングさせましょう」と書かれています。
ニジイロクワガタというかクワガタには厳密な成熟期間(何日たったらペアリング可能)というものはありません。
エサをガツガツ食べだしてしばらくしたらペアリングさせて何の問題もありません。気温が低いと活動開始までに半年程度かかることもありますが、夏前に羽化すると早いものでは2か月程度でペアリング可能になるニジイロクワガタのペアもいます。
ニジイロクワガタの幼虫を大きくする方法
ニジイロクワガタを飼育すること自体は、実に簡単です。
しかし、大型のオスを作出することは難しく、高度な技術を要します。
なぜなら、ニジイロの幼虫は、蛹になる前にビンの中を暴れまわり、痩せてしまうことが多いからです。
せっかく大きな幼虫に育っていても、暴れが始まると体重が縮んでしまうため、小さいサイズの成虫にしかならないからです。
このため、ニジイロクワガタのギネスサイズは長年70ミリ前後をさまよっており、なかなかオオクワガタのような超大型個体を作出することができずにいます。
ただ、だんだんとニジイロクワガタの飼育法が解明されているのも事実で、ヒラタケ菌糸よりも、カワラ菌糸などの、特殊な菌糸のほうが向いていることも判明しています。
カワラ菌糸を用いて、低温(20度程度)でじっくりと育てれば、60ミリ台後半のオスを羽化させることも可能ではないでしょうか?
幼虫から成虫になるまでの期間は?
ニジイロクワガタは卵から成虫になるまで、8か月から一年程度かかります。小型のメスでは半年程度で羽化する個体もいるそうです。
この8か月という数字は、温かい室内で飼育した場合の数字です。冬場寒い場所にニジイロクワガタの幼虫を置いておくと、羽化までに一年以上かかりますし、ずっと23度前後に保温しておくと、半年以内に成虫になります。
ニジイロクワガタの寿命
ニジイロクワガタの成虫の寿命は意外と長く、最低でも半年以上は生きますし、多くの個体は1年以上生きます。中には2年近く生きる個体もあるようですが、それ以上生きることはあまりないようです。
コメント
1番マットのみのセットで幼虫とれずに菌糸ビン(DO850オオヒラクリアB)産卵にきりかえると
8幼虫採れました。
凄く効果のある産卵方法でした。
ビンの差し替えでもっととれるでしょうねb
ぷーある様
ご連絡ありがとうございます。
産卵してよかったですね。
ちなみにあるショップの方からお聞きしたのですが、
ニジイロはカワラタケのほうが産卵するようですね。
aruna様
次の世代はカワラの菌糸ビンでやってみます!
ニジイロクワガタの幼虫が羽化した様ですが、どれくらいで蛹室から這い出て来ますか?
またゼリーを食べだすまでの目安はどれくらいですか?
オートレ様
ご連絡ありがとうございます。
活動を始めるまでの期間は温度やサイズによって左右されます。小さい個体やオスは早いですし、大きい個体やオスは遅いです。大体の目安は1ヶ月から3ヶ月ぐらいだと思います。
私は活動する前に蛹室から出してしまうので細かいことは申し訳ないですが分かりません。
ニジイロクワガタのパープルを飼っていてペアリングにて三回ほど交尾を目視しました。
念の為同居も4日ほどさせました。
ハイパーニクウスバ材を一本埋め込んで産卵一番を固詰めしたのですがなかなか潜ってくれません。
どうしたら良いでしょうか。
ヨネジさま
産卵しない問題として真っ先に考えられるのは、温度です。この時期は暖房を入れてもケースの中は温度が低い可能性が考えられます。
次に湿度です。ニジイロはマットに加水しないと産みにくいです。
あと、クワガタが餌をガツガツ食べて活発に動き回っていないならまだ完全に目覚めていない状態です。
もしこれらを改善してもダメなら、空ボトルに加水した産卵一番を詰めるやり方が手軽で成功率も高いです。
僕の記事や、記事で紹介しているYOUTUBEをご参考にしてみてください。
返信ありがとうございます。
メスは潜りました。
ただ材を削る音はしません。
温度計をケースの中に入れてみて26度ありました。
エサは確かにガツガツ食べていません。
交尾をしただけではダメなのでしょうか?
潜っているのなら、しばらく様子見してダメなら再交尾→再セットの繰り返しですね。
ニジイロクワガタの産卵セットで、菌糸ボトルを使用するセットですが、
「カワラ菌糸ボトル(ヒラタケでも可能)をケースに入れて放置しておくだけです。」
とのことですが、具体的にはどのようにしますか?
産卵木の代わりに、マットの中に埋め込む?
コバエシャッターなどのケースに新聞紙を敷いて菌糸ビンを入れておけばOKです。
菌糸ビンは横にしておけば、クワガタは勝手に入っていくということで、よろしいでしょうか。