更新日時: 2020年/02月/06日 by aruna
ですが、ハイパーレイシ材を用いるとどんなメスでも産卵に成功しており、しかも20個以上産卵することも珍しくないそうです。
ハイパーレイシ材でタランドゥスの産卵セットを組んだ結果は・・・
↑微総研のレイシ材でタランドゥスのセットを組んだときの様子。メスがレイシ材に穴を開け、卵を産み付ける巣穴を作っていることが分かります。
私も店員さんのアドバイスを聞いて、タランドゥスの産卵セットに早速ハイパーレイシ材を用いました。すると、あれだけ菌床ボトルに潜るのをためらっていたタランドゥスのメスが、一瞬で材をかじり始めたのです。
次の日には、もう材の周りに木くずが積み上げられており、産卵行動に移ったことが確認されました。
(タランドゥスのメスは、産卵するときに長いトンネルを掘り、材の周りに木くずを積み上げる習性があります)
さらに1か月ぐらい待ち、マイナスドライバーでレイシ材を崩すと、10匹以上の幼虫を得ることに成功しました。
結論として、ハイパーレイシ材を使うと、今までの苦労がまるで嘘のようにタランドゥスの幼虫が取れました。
あなたもタランドゥスの採卵にお困りなら、是非お試しください。
菌床産卵もイケる
あと、最近私は菌床産卵でもタランドゥスを産卵(15個以上)させることに成功しています。
ユーチューブの動画で、「レイシ材を使わないタランドゥスの産卵セット」という動画で産卵させやすい菌糸ボトルの特徴を学んだおかげです。
菌糸ビンに入れてもタランドゥスが産卵しない理由の一つに、まだ菌糸が張り切っていないという可能性があります。
この動画では菌糸ビンがタランドゥスの産卵に適しているかどうかの見分け方が紹介されているので、ぜひご覧ください。
タランドゥスを飼育・産卵させるときの注意点
タランドゥスを飼育・産卵させるときの注意点を紹介します。
成虫の成熟期間の目安
タランドゥスについて飼育書などで調べると、成虫は羽化後半年程度で成熟すると書かれています。実はそれは間違いで、タランドゥスはエサをたくさん食べるようになれば、いつでもペアリングが可能です。
タランドゥスというかクワガタムシに成熟期間などは存在せず、休眠期間から目覚めれば繁殖が可能です。多くの個体が半年前後で活動を開始するだけであって、温度が高ければもっと早くに成熟は完了します。私は3か月程度でペアリングさせても産卵した経験は何度もありました。
しかし、温度が低いと本当にタランドゥスがペアリング可能になるまで半年以上かかることもあるので注意が必要です。
ペアリング
タランドゥスは簡単にペアリング可能です。タランドゥスは人間に対しては狂暴で、隙あらば噛みつこうとしてきますが、メスには非常に優しい紳士な昆虫です。
メスに危害を加えるようなことも少ないので、数日程度同居させておけばOKです。
ちなみにタランドゥスはペアリングが下手で、ハンドペアリングだと受精できないことがあるので注意しましょう。
割り出しのコツ
タランドゥスのメスは材にトンネルを掘り、材の中に大きな空間を作り、そこにまとめて卵を産みます。
ですから、タランドゥスの幼虫は材の中にバラバラに潜んでいるのではなく、多くの個体が同じ場所にまとまって暮らしています。
そのため、やみくもに材を割らなくても、メスが掘ったトンネルをたどっていき、卵の部屋を見つければあまり苦労せずに割りだせます。
ちなみに、成虫は卵を産み終えてもトンネルの入り口で飲まず食わずのままずっと見張りをしています。そのままだと餓死してしまうので、早めに取りだしてエサを与え、休息させてあげてください。(そのあと、再ペアリングしてもう一度産卵させることも可能です)
一令幼虫は死にやすいので注意
タランドゥスをブリードするときに鬼門となるのは、一令幼虫の扱い方です。タランドゥスの一令幼虫はとてもデリケートなので、少し環境が悪くなっただけですぐに死にます。
飼育書などではオオクワガタやカブトムシの説明にも「一令はデリケート」と書かれていますが、タランドゥスの幼虫はオオクワの幼虫の100倍以上デリケートですぐに死にます。
具体的には、タランドゥスの一令を菌糸ビンにいきなり入れると、ビンの中の水滴でおぼれてしまい、死んでしまいます。カワラタケは水分が多いため、こういった溺死事故はよく起こります。
コメント
質問させて頂きます。
ハイパーレイシ材に補助の穿孔穴は、材の切り口か側面か、どちらに開けるのでしょうか?
ぷーある様
タランドゥスのメスは勝手に材に潜っていくことが多いので、穴を開ける必要はないと思います。
ご返答どうも有難うございました。
産卵セット組んでみます!